2024年9月22日(日) 第4主日
王である主イエス様
箴言はイスラエルの王ソロモンとマサの王レムエルとが記した全31章に及ぶ訓戒です。おおよぞ3000年前のものです。「知恵」が100回以上あり「知恵の書」に入ります。30回以上出て来るのが王に関係する箴言です。
多神教的な神話や祭儀と一体となり国の元首が神格化された歴史があります。日本では戦時中には昭和天皇が神格化されました。昭和21年にいわゆる人間宣言によって訂正されました。「私とあなたたちと国民との間の絆は、…単なる神話と伝説とによって生まれたものではない。天皇を神とし、または日本国民は他より優れた民族だとし、それで世界の支配者となる運命があるかのような架空の概念に基づくものでもない。」(現代語訳)一方、明治神宮の祭神は明治天皇夫妻であるので生きている時はそうでも、死ねば昇華されるのでしょうか。人は永遠に人だと聖書は教えています。
聖書中のイスラエルの王は神格化されてはいません。元はと言えば周辺諸国の王をうらやみ、祭司職を軽んじサムエルを退けた結果、与えられたのが王たちです。最初の王はサウル王です。予見者であり祭司であるサムエルによって油注がれて王になりました。メシヤの語源である任職の油注ぎです。
イスラエル王国の祖はダビデ王です。その子ソロモン治世において神殿が完成し諸国の中でも名をあげて、繁栄と富と平和が与えられました。絶頂期を迎えますが、すでに異教化を内包していました。その子の治世において国は分裂しました。生前にソロモンが記した王への箴言には
「正義によって王は国を建てる。重税を取る者は国を壊す。」(箴言 29:4)
ソロモンの息子レハブアムは王になると直ぐに民に重税を課してしまいます。(1列王記 12:11)その結果は
「富は永久に続くものではなく、王冠も代々に続かないからだ。」(箴言 27:24)
箴言はあっても知恵が欠けていました。
ダビデ王は星のごとく輝く王です。それでも二つの大きな過ちがあったことが記されています。絶対君主にはならないようにイスラエルの王には王と預言者と祭司の三つの職分があり、相互に独立していました。預言者は王を進言し、時には悔い改めを迫りました。祭司たちは国民の間に住み、神と人との間に立って執り成しの務めをしました。王の職分は神の正義をもとに国を治めることです。
「悪を行うことは王たちの忌み嫌うこと。王座は正義によって堅く立つからだ。」(箴言 16:12)
結果は、国が滅亡しました。
イスラエルの王たちは亡国へと国を導きました。その中での唯一の希望は、来るべきメシヤ(救い主)への待望です。その方こそが「王の王、主の主」です。同時に、民の悩みを知りつくし、自らが人々の罪を背負って死に、執り成しをなさる大祭司です。そして、預言者は神の言葉を預かる人ですが、主イエス 様は神の言葉が人となったお方です。その名は、私たちの主イエス・キリストです。このお方の治める国は、神の国であり、私たちキリスト者はその国民です。
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