2023年12月4日月曜日

 2023年11月12日(日) 第2主日

『そのとき人々は、人の子が雲のうちに、偉大な力と栄光とともに来るのを見るのです。』(ルカ 21章27節)

異邦人の時

 エルサレムでの主イエスの説教は、ご自分の身に十字架での死が迫る中で、話は人々の上に必ず臨む滅亡のことに向けられています。
 エルサレム滅亡の語りは、非常に具体的なものでした。訪れの知らせは、エルサレムが軍隊に包囲されることです。その時には「逃げなさい」。主イエスの説教を無視して、なおも都の中に留まる者、あえて都に戻る者には、神の御怒りによる大きな患難にあいます。剣の刃に倒れ、捕虜として連れて行かれます。キリスト者は、災いから逃れて別の町で生き延びました。

 「異邦人の時が満ちるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされます。」神の御怒りは一定の期間であり、「異邦人の時が満ちるまで。」と定められています。時が満ちれば回復がやってきます。歴史の語る通り、ローマ軍が城壁を破壊して踏み込み、神殿の聖所内にあった金の燭台をはじめ、奉献品を戦利品としました。神殿のあった場所にはイスラム教のモスクが今も建っています。オスマン帝国など、諸外国の統治下におかれてきました。イスラエル建国が現実となった今でも、神殿はなく、西壁が民族にとっての礼拝場所です。

「異邦人」の意味は神が祝福の契約を結んだアブラハムの子孫、ヤコブの子孫の側から見て、それ以外の諸国民を指します。「異邦人の時」とイエスが言われた意味あいは、エルサレムは元より、この世界の支配や統治が異邦人の手の中に置かれる期間を言い、御国を来たらせたまえと祈らざるをえない期間です。神の義や聖や憐れみを知らない者が君主となり治めるのですから。

 イエスが十字架刑に処せられる前にユダヤ最高議会を開き、有罪判決をくだし、イエスを異邦人の手に引き渡しました。やむなくローマ総督ピラトは死罪を言い渡しました。イエスを異邦人の手に引き渡してしまったことで、自分たちが異邦人に引き渡される苦い運命を招くことになりました。異邦人の支配は不幸で戦争を繰り返します。(使徒2:36、3:13~15

 使徒パウロは「異邦人の時」を説き明かしています。
「この奥義を知らずにいてほしくありません。イスラエルの一部が頑なになったのは異邦人の時が来るまでであり、こうして、イスラエルはみな救われるのです。」(ローマ 11:25)
今は、異邦人の季節です。刈り入れは世界中です。キリストが来て異邦人の支配を終わらせます。「エルサレムに優しく語りかけよ。…その苦役は終わり、その咎は贖われている、と」(イザヤ40:2)

 2024年3月31日(日) 第 5主日 『「あなたがたは、どうして生きている方を死人の中に捜すのですか。ここにはおられません。よみがえられたのです。まだガリラヤにおられたころ、主がお話になったことを思い出しなさい。人の子は必ず罪びとたちの手に引き渡され、十字架につけられて、三日...