2020年12月3日木曜日

 2020年11月8日(日) 第2主日

「このキリストによって私たちは、信仰によって、今立っているこの恵みに導き入れられました。そして、神の栄光にあずかる望みを喜んでいます。」(ローマ 5章2節)

 社会と隣人
 隣人は、近い関係性を、社会は、より広範囲を指しています。聖書の律法の中心に「あなたの神、主を愛しなさい。」「あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい。」とあります。基本は神と隣人との愛に基づく関係性にあると教えられています。

 神と私たち
 一番近い関係性は、まず「あなた自身」から始まります。寝ても覚めても、生まれた時から今に至るまで、私は、私自身と向き合っています。落ち込む時には、神を待ち望めと励まします。愚かさに心が責められるとき、神の憐れみと赦しを思い起こします。他者評価に敏感な自分がいます。しかし、神の評価は異なります。神の愛は、ご自分のひとり子を与えて私たちを救うことをなさいました。それほどまでに私の存在が、神にとって、大切であるとは不思議な愛である。神の前に決して滅びてはいけない存在であり、永遠に神と共に生きることを願ってくださったのです。
「御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネ3:16)

 様々な関係性
 イエスの教えで「良きサマリア人のたとえ」(ルカ10:30~37)があります。登場人物は、強盗たち、襲われて瀕死の状態の被害者、助けたサマリア人と搬送を担った家畜、放置したレビ人と祭司、宿屋の主人。そこに社会が見えてきます。犯罪者がいます。被害者がいます。非情な人がいます。しかし、憐れみ深い援助者がいます。お金を支払えば受け入れる宿屋のオーナーがいます。お金がないからと言って、他人の着物をはぎ取って良いはずはありません。その結果、被害者は死ぬまでダメージを抱えます。相手のいのちは決して衣と交換できるものではありません。社会は、お金や富の動きでもあります。政権によってどこに富が流れるのかが決まります。

 神の愛
 盗人は世から消えません。同じように良きサマリア人の存在も消えません。なぜなら神の愛が、世に注がれているからです。神は人を通しても愛と恵みを届けてくださっています。見て見ぬ振りをして通過したレビ人や祭司は、神への奉仕者でありながらも、神に用いられるチャンスを逃しました。そこで、サマリヤ人にチャンスが巡ってきました。今の時代を象徴しています。
 実際には、援助者になるばかりではなく、他者の助けを受ける側にもなります。その時に、神の恵みを感謝して受け取りたいと願います。

 
 

 2024年3月31日(日) 第 5主日 『「あなたがたは、どうして生きている方を死人の中に捜すのですか。ここにはおられません。よみがえられたのです。まだガリラヤにおられたころ、主がお話になったことを思い出しなさい。人の子は必ず罪びとたちの手に引き渡され、十字架につけられて、三日...