2023年6月23日金曜日

2023年6月11日(日) 第 2主日

『立ち上がって行きなさい。あなたの信仰があなたを救ったのです。』(ルカ 17章9節)

放たれた小鳥

 主イエスによってツァラートを清められた一人のサマリア人に向かい、立つこと、行くことを命じられました。ひれ伏して感謝の礼拝を捧げている者に立てと命じ、主イエスが遣わす所へ行けと命じられました。

 「行け」には、主イエスからの平安が伴いました。「あなたの信仰があなたを救ったのです。」その信仰で十分であるとイエス自らが保証してくださいました。こうして「義人は信仰によって生きる」(ロ-マ 3:10)その歩みの土台が定められ、その信仰生活が開始しました。

 「立ち上がって行きなさい。」は神の御子イエスの宣言です。主イエスが癒やし、主イエスがきよめ、主イエスが解放と自由を与えました。「わたしが来たのは律法や預言者を廃棄するためにではなく、律法や預言者を廃棄するためだと思ってはなりません。廃棄するためにではなく、成就するために来たのです。」(マタイ 5:17)

 律法によればツァラートとは、表面に生じた症状を祭司が律法に照らし「汚れ」に相当すると宣告し、また回復を認めました。続いて祭司は二羽の小鳥を用意させます。水の入った器に一羽の小鳥の血をたらし、その水を7度本人に振りかけて初めて清いと宣言しました。残りの一羽は野に放たれました。野に放たれた小鳥は「行きなさい」と言われたイエスの御言葉を象徴しています。(レビ記14章)私たちは汚れから、キリストの血により、きよめられました。律法の拘束から解かれて自由を得ました。

「あなたの信仰が」
 癒やされたのはイエスに願った10人全員です。しかし、真の解放と自由を得たのはサマリア人たったひとりです。9人との違いは、明確です。イエスの元に戻り、ひれ伏し神への感謝をささげた点にあります。自分の身の上に起きた出来事を、迷うことなく主イエスの御業だと信じました。他の9人はどうしたのでしょう。主イエスの御業だと認めなかったのでしょうか。

 正しい信仰は正しい結果を生み出します。信仰はその実によって知られるというのを示す出来事です。主イエスの身元に私たちも行きます。「安心して行きなさい」「立ち上がって行きなさい」と御言葉がかけられます。

 

2023年6月15日木曜日

 2023年5月7日(日)第 1主日

ルカ 16章1~8節

 主イエスのたとえにお金の話が出てきます。当時のユダヤ人の硬貨はレプタとシュケルです。偶像やローマ皇帝のデザインが施されていなかったのでエルサレム神殿の献金はこの硬貨でした。レプタ1枚を献金した婦人の硬貨は最小単位の青銅貨です。イスカリオテのユダはイエスを売った代価として銀貨30枚(シュケル硬貨)を受け取りました。後に神殿に投げ込みましたがその硬貨は「血の代価」として除外されました。価値は銀の相場で決定されたとしても、神の義と言う規準が厳然と存在しています。

 放蕩息子に登場する息子は、盗みという不正はしませんでしたが、財産を快楽のためだけに使い果たしました。ついには豚の餌を恵んでもらいたいと願い、物乞い以下にまで身を落としました。

 主イエスのたとえには、その続きがあります。お金を不正に使い込んでいたひとりの管理人がいました。ご主人の財産を無駄遣いしていました。隠れた罪は発覚し、神の義によって不正が明らかにされる時が間近に迫りました。その時、不正な管理人は悔い改めて謝罪するどころか、ご主人が得るはずの財産を失うようにしてしまいます。ご主人の債務者たちを呼んで、油や小麦の売掛金を大幅に値引きました。仕入れ数量を油百バテから50に、小麦百コルを80にと証文を書きかえさせたのです。

 放蕩息子と不正な管理人に共通するのは、第1に、授かった財産を乱費し、天の父である神に罪を犯した者が赦されただけでなく、咎めもせずむしろ評価されている点です。

 両者の異なる点は、放蕩息子は苦難の日に助けてくれる友が一人もいませんでした。しかし、真に悔い改めて、そのままで父のもとにかえり救いを得ました。他方管理人は罪の悔い改めが見られません。しかし、「賢く行動する」とほめられたのは、ご主人の富で自分を救おうとしたからです。お金の世界には神の義が存在します。しかし、それと同じほどに神の憐れみと赦しが注がれています。債務が赦されるこの幸いは、神による罪人への赦しを示しています。キリストが我らの友となり、債務をご自分の血で支払ってくださいました。我らの債務証書そのものを無効にしてくださいました。

 2024年3月31日(日) 第 5主日 『「あなたがたは、どうして生きている方を死人の中に捜すのですか。ここにはおられません。よみがえられたのです。まだガリラヤにおられたころ、主がお話になったことを思い出しなさい。人の子は必ず罪びとたちの手に引き渡され、十字架につけられて、三日...