2023年3月30日木曜日

 2023年3月5日(日) 第1主日

『なぜなら、だれでも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるからです。』(ルカ 14章 11節)

逆転世界

 主イエスがもたらす神の国と社会通念とでは、大きな開きがありました。パリサイ派のユダヤ人に代表されるように、規則を増し加え、大切な人の傷みや苦悩が、なおざりにされて行きました。安息日に病気をなおす主イエスを監視し、その御業を批判しました。かたや安息日には井戸に落ちた家畜を助け出すことに異義を唱えません。人の命が家畜に劣るものとされました。
 当時の社会にも不平等があり、隔ての壁がありました。お祝いの席や、食事の席に際立ちました。神の国の宴との違いを主イエスはこう教えられました。
「昼食や晩餐をふるまうのなら、友人、兄弟、親族、近所の金持ちなどを呼んではいけません。彼らがあなたを招いて、お返しすることがないようにするためです。食事のふるまいをするときには、貧しい人たち、からだの不自由な人たち、足の不自由な人たち、目の見えない人たちを招きなさい。その人たちはお返しができないので、あなたは幸いです。あなたは、義人の復活のときに、お返しを受けるのです。」(ルカ 14:12~14)
教えた通りを実行された主イエスは批判を受けました。
「すると、パリサイ人、律法学者たちは、つぶやいてこう言った。「この人は、罪人たちを受け入れて、食事までいっしょにする。」(新改訳 第 3版 ルカ 15:2)

 私たちが、神の国に入るのは、主イエスのこうした招きがあるからです。神の国だからこそ、選んでもらえました。貧富の差、血筋の違い、行いにおける優劣、社会的な立場、そうした規準とは異なります。返って招かれざる人を招き入れておられます。私たちもそうです。罪びとの一人であり、義においては返すことができない無一物の者を招いてくださいました。神の国には、神の愛と憐れみが溢れています。ただただ恵みによります。
「神の国は飲み食いのことではなく、義と平和と聖霊による喜びだからです。」(ローマ 14:17)神の国には聖霊の支配の中での喜びがあります。

2023年3月2日木曜日

 2023年1月29日(日) 第 5主日

『イエスは安息日に、ある会堂で教えておられた。すると、そこに十八年も病の霊につかれ、腰が曲がって、全く伸ばすことのできない女の人がいた。イエスは彼女を見ると、呼び寄せて、「女の方、あなたは病から解放されました。」と言われた。そして、手を置かれると、彼女はただちに腰が伸びて、神をあがめた。』(ルカ 13章10~13節)

解放

 「曲がっているものを、まっすぐにはできない。なくなっているものを、数えることはできない。」(伝道者の書 1:15)
この言葉は、老いと人の終わりを指しています。アダム夫婦が神の戒めに違反したことで受けた、変えることのできない人類全体の運命と言えます。

 神のなさることはすべてが義です。生きる上での苦しみや死もまた神が人に与えたもので神の義と原罪を示しています。この災いとも言える出来事を通して、罪を犯すことにブレーキがかかり、回心にさえ導きます。人が弱くなる時に、神の力が表されます。義人ヨブは、突然襲った苦難の中でも、こう言いました。「主の御名はほむべきかな。」(ヨブ 1:21)

 サタンは、人を支配する道具として苦しい目にあわせます。主イエスと共に安息日に会堂にいた一人の女性がそうでした。18年もの間、本人から自由を奪って拘束しました。上を見上げる人生を失い、下を向いて生きるしかありません。まるで犯罪者が拘留されるように、このアブラハムの子孫の一人を、サタンが閉じ込めておいたのです。

 イエスは彼女を見ると、呼び寄せました。解放の宣言をし、手を置くと、彼女はただちに腰が伸びました。解放された女性は「神をあがめた」のです。目を天に向け、まっすぐに主イエスを見て、神をあがめました。

 この出来事は、安息日論争を引き起こしました。偽善者が定めた安息日規定は、人々を拘束することはあっても解放を許しません。しかし、キリストが来て解放をもたらし、安息をもたらしました。

 エジプトにおける奴隷時代には神の民は、腰を屈めて労役に服しました。この苦しみの中での叫び声を、神は聞いて救い出されました。エジプトから呼び出して約束の地、安息へと導かれました。

 キリストは、私たちを呼び寄せて、救い出してくださいました。頭をあげて天の御座を仰ぐ時、私たちのために死に、復活され、神の右の座にいて執り成してくださる主イエスがおられます。

 2024年3月31日(日) 第 5主日 『「あなたがたは、どうして生きている方を死人の中に捜すのですか。ここにはおられません。よみがえられたのです。まだガリラヤにおられたころ、主がお話になったことを思い出しなさい。人の子は必ず罪びとたちの手に引き渡され、十字架につけられて、三日...