2021年4月29日木曜日

 2021年4月25日(日) 第4主日

『しかし今、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う人はひとりもありません。失われるのは船だけです。』使徒27章21、22節

希望のメッセージ

 使徒パウロが書いたコリント第2の手紙において、キリストのゆえに受けた労苦の数々を述べています。その中で海難事故のことにも触れています。
「難船したことが3度、一昼夜、海上を漂ったこともあります。何度も旅をし…海上の難にあい、労し苦しみ」(Ⅰコリント11:25、26)
 その手紙を書いてから4~5年後の紀元59年初秋、カイザリアの港から船で囚人としてローマへと向かいます。クレタ島の「良い港」で冬を過ごすべきところを、パウロの進言を無視して出帆してしまいました。おりしもユーラクロン(強烈な局地風)に襲われて、最悪の海難事故に見舞われました。
 共に乗船していたルカが使徒の働き27章において詳細に記しています。
「太陽も星も見えない日が何日も続き、暴風が激しく吹き荒れたので、私たちが助かる望みも今や完全にたたれようとしていた。長い間、だれも食べていなかった。」その時です。パウロが希望のメッセージを語りました。
 「元気を出しなさい。」「私は神を信じています。」「私に語られたことはその通りになるのです。」「私たちは必ず、どこかの島に打ち上げられます。」船のキャプテンは、船長でも、ローマ百人隊長でもなくパウロであり、パウロが仕えている主イエス様です。パウロが死ねばすべての人も死に、パウロが生きればすべての人も生きるのです。「見なさい。神は同船している人たちを、みなあなたに与えておられます。」神の御使いが来てそう伝えました。14日目の夜になり、陸地に近づき始めました。
 だが、助かるためにはなおも乗り越えるべき危険がいくつもありました。
第1の危機は、水夫たちが自分たちだけ助かろうとして備え付けの小船で脱出を企てました。第2に、兵士たちが囚人の脱走を恐れて殺そうとし、パウロのいのちも危険にさらされました。第3に、船が浅瀬に乗り上げて、座礁し、壊れ始めました。助かるためには急いで脱出するしかありません。最後の難関は、激しい波を恐れずに泳いで陸にあがることです。泳げないものは板につかまり陸地を目指さねばなりません。あらゆる危険を回避し、乗船者276人全員がマルタ島の陸にあがり助かりました。神の約束の通りです。
「この苦しみのときに、彼らが主に向かって叫ぶと、主は彼らを苦悩から導きだされた。主は彼らをその望む港に導かれた。」詩篇107:28~30

 2024年3月31日(日) 第 5主日 『「あなたがたは、どうして生きている方を死人の中に捜すのですか。ここにはおられません。よみがえられたのです。まだガリラヤにおられたころ、主がお話になったことを思い出しなさい。人の子は必ず罪びとたちの手に引き渡され、十字架につけられて、三日...