2020年7月6日月曜日

2020年6月28日(日) 第4主日

『聖霊に励まされて前進し続けたので、信者の数が増えて行った。』(使徒9:31)

 世界宣教の発動は、主イエスが約束されていた聖霊が臨むところから始まります。エルサレムの聖徒が増加する中、執事7人の選任により教会は整いました。6章6節までが、ひと段落です。「こうして神のことばは、ますます広まって行き、エルサレムで、弟子の数が非常に増えて行った。そして、多くの祭司たちが次々に信仰に入った。」(使徒6:7)
 
 次の段階は、「こうして教会は、ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤの全地にわたり築き上げられて・・」(使徒9:31)までです。執事のひとりステパノの殉教から始まり、エルサレム教会への大迫害と迫害者サウロの回心までの歴史です。散らされた聖徒たちは先々で福音を伝えました。使徒ペテロは、各地で誕生した聖徒たちの群れの支援のために巡回しました。
 
 ペテロの働きで特筆すべき出来事が記録されています。サマリヤでは聖徒たちに聖霊が与えられるように導きました。ルダに住む聖徒たちを訪問し、8年間床についていたアイネヤに出会います。「アイネヤ、イエス・キリストがあなたをいやしてくださるのです。立ち上がりなさい。そして、自分の床を整えなさい。」すると彼はただちに立ち上がった。(使徒9:34)

 ルダにいたペテロのもとに、海岸沿いの町ヨッパから使いが来て「すぐに来てください」と頼みました。行って見ると、やもめたちから慕われていた愛の奉仕者タビタの遺体が安置されていました。ペテロはひざまずき祈ったのち、「タビタ、起きなさい。」(使徒9:40)と言いました。すると彼女は目を開け、起き上がりました。

 かつてペテロが見たイエスのなさったことを、そのまま行いました。主イエスは、中風で寝たきりの人に、「あなたに言う。起きなさい。寝床をたたんで、家に帰りなさい。」(マルコ2:11)すると彼は起き上がりました。ペテロとイエスとは、中風の人が治ったことは同じですが、ペテロにとっては「イエス・キリストがあなたをいやしてくださるのです。」他方、主イエスにとっては、ご自分の権威において命じて治す行為でした。

 死者さえもが生き返らせられました。会堂管理者ヤイロの娘の遺体を前にしてイエスは「タリタ、クミ」(訳せば、少女よ。あなたに言う。起きなさい。)と言われました。ペテロも、「タビタ、起きなさい。」と言い、生き返りました。主イエスは、少女の訃報にも「恐れないで、ただ信じていなさい。」そう告げました。祈りなしで、「子どもの手をとって」その名を呼び、生き返らせました。ペテロは、神の前にひれ伏し、とりなしをして御業をなしとげました。目撃者の誰もが、ペテロではなく、主のイエスの御力によってなされたことを知りました。ペテロのした行為は、イエスを証するための業と言えます。ルダの人は完治したアイネヤを見て、「主に立ち返った。」(使徒9:35)ヨッパの人も同じく、生き返ったタビタを見て、「多くの人々が主を信じた。」(使徒9:42)
 
 ペテロは、その能力においては、まるで預言者エリヤのようです。大胆さにおいては
バプテスマのヨハネのようです。ガリラヤの漁師を召してイエスは、ご自分の器に造り変えて用いられました。これもイエスの御業です。

 

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