2020年7月6日月曜日

2020年6月14日(日) 第2主日

『行きなさい。あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子らの前に運ぶ、わたしの選びの器です。彼がわたしの名のためにどんなに苦しまなければならないのかを、わたしは彼に示します。』(使徒9章15~16節)


選びの器
器が入用
 水を運ぶのには器が要り、泥水を捨てるのにもバケツが要ります。人を運ぶのでさえ乗り物を用います。ことばを届けるのに手紙が要り、手紙を届けるのに誰かの手足が必要です。神のことばを納めるのに書物が要り、それを読み解くのに誰かの唇が要ります。神は運び人を選ばれます。

 反対者サウロ
 使徒の働き第9章に、サウロの回心の出来事が記されています。著者ルカが、本人から直接聞いた証です。サウロは、キリスト教徒への反対派の急先鋒でした。最初の殉教者ステパノの時にも、殺害に賛同しました。なおもキリスト者迫害への意に燃え続けていました。「サウロは、なおも主の弟子たちを脅かして殺害しようと息巻き、」(使徒9:1)

 サウロの回心
 それは突然でした。「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか。」(使徒9:4)
十字架で息絶えたはずのイエスが、彼に直接語りかけるのを聞きました。天からの光によって、目が三日間、見えなくなってしまいました。「目からうろこが落ちる」ようにして、サウロの視力は戻りました。そのように覆われていたものが取り去られ、復活された主イエスを知るに至りました。ここに世界宣教への選びの器、異邦人宣教の器が用意されました。

 神の選びの特徴
 第1に、愛と赦しに基づく選び。
 主イエスに対して反対し迫害している者を選ぶのは、敵を愛し、反対する者をも赦すことでなくてなんでしょうか。福音のメッセージを運ぶのに、多くの罪を赦された者こそが、イエスの御名による罪の赦しの福音を語る器となれるのです。反対者サウロもまた、大きな罪を犯した人です。
 
 第2に、神の大いなる恵みによる選び。
 以前のサウロの誇りは、ローマ市民権、生粋のユダヤ人、パリサイ派ガマリエルの門下で、厳格なユダヤ教律法主義者で、かつ、非常に博学でもありました。神の恵みやいつくしみよりも、人間の行いによって得られる義を追い求めた人です。そんな自分が「罪人の頭」であることに気づいたのです。神の恵みにより、信仰によって救われる福音を信じました。もはや、誇るべきものは、主イエスの十字架以外にはないと断言しています。
 
 第3に、選びと苦しみ。
 試練を受けたヨブ、荒野での試練を民と共に歩んだモーセの忍耐、自国の滅亡を預言し、亡国を味わう涙の預言者エレミヤ、義のゆえに斬首されたバプテスマのヨハネ。神に選ばれたパウロもまた、イエスの御名のゆえに幾度も苦しみを体験しました。イエスの焼き印をその身におびてさえいました。異邦人の使徒としての選びの器で、名前もパウロになりました。主の選びの器として、生涯、主の御名を運び行く歩みを全うしました。(ピリピ3章)

0 件のコメント:

コメントを投稿

 2024年4月28日(日) 第 4主日 『こうして、私たちは信仰によって義と認められたので、私たちの主イエス・キリストによって、神との平和を持っています。』(ローマ 5章 1節) この世の流れ  風がやんで海が穏やかになることを「なぎ」と言います。和とは社会では対立や疎外がなく...